「電話は鳴っているんです。それなのに、売上が思ったほど伸びなくて」
ご相談の席で出た言葉です。
話を聞いていくと、予約はすべて電話でした。受けられるのは平日の9時から18時まで。担当者が現場に出ていれば、当然つながりません。
ここで多くの方が考えるのは、「電話に出られる体制をつくること」です。もっともな判断に見えます。
けれど、実際に取りこぼしているのは、営業時間内につながらなかった人だけではありません。夜10時に思い立ってスマートフォンで調べ、電話番号しか見つからず、そのまま閉じた人。その人は翌朝かけ直してはくれません。そして、その離脱はどこにも記録されません。
直す場所は、接客ではありませんでした。受け口のほうです。しかも、これは1か月あれば整います。
営業時間外にかかってきた電話は、先月何件あったでしょうか。数えたことがなければ、それ自体が一つの答えです。
そもそも1本の電話が鳴るまでには、その人なりの道のりがあります。どこかで店の名前を知り、気になって調べ、他と見比べ、ようやく番号に指を伸ばす。
お客様は「出会う → 興味を持つ → 理解・比較する → 行動する → 関係を深める → ファンになる」という6つの段階を通って、お店や商品にたどり着きます。この流れを「セールスファネル(=ファネル)」と呼びます。買うまでの道のりを段階で捉える考え方はAIDMA/AISAS※1として古くから知られていて、それを実際の商売の流れに合わせて6つに整理したものです。一方通行ではありません。ファンになった方の紹介が、また新しい「出会う」を生んでいきます。

この記事で扱うのは、その4つめにあたる④行動する=申し込みの段階です。広告もサイトもチラシも、①出会うから③理解・比較するまでを担う道具。その目的は、この④行動するまで人を連れてくることにあります。
裏を返せば、ここで受け止められなければ、その手前にかけた費用はすべて無駄になります。
しかも直す範囲は、申し込みの数分間だけです。作り直すのはサイト全体ではありません。やることは3つ。順番に進めれば、1か月あれば形になります。
ステップ1|申し込みの入口を、1本にまとめる
まず、いま申し込みがどこから来ているかを書き出します。電話、メール、サイトのフォーム、LINE、店頭の紙、担当者の携帯。数えてみると、5つも6つもあるのが普通です。
入口が多いこと自体は問題ありません。困るのは、それぞれが別の場所に溜まっていることです。誰かが休んだ日に届いた1件が、そのまま埋もれます。
やること:入口をすべて書き出し、「どこから来ても、この一覧に集まる」という置き場所を1つ決める。最初は表計算ソフトの1枚のシートで構いません。
集まる場所ができたら、次は受けられる時間の壁を外します。
ステップ2|24時間受けられる形をつくる
次に、営業時間の外でも受けられる入口を用意します。
全部をオンラインにする必要はありません。相談だけフォームで受けて日程は電話で決める、という形もあれば、予約枠の選択から支払いまで通す形もあります。決めるのは「どこまでをオンラインで完結させるか」です。
判断の目安は、お客様が迷う場所がどこかです。日程調整で往復が多いなら予約枠まで、支払いのやりとりが手間なら決済まで。
やること:申し込みから支払いまでの流れを紙に書き、どこまでをオンラインにするかに線を引く。線を引いてから、道具を選びます。順番を逆にすると、機能に振り回されます。
ここまでで、取りこぼしの入口はふさがりました。残るのは、受けたあとです。
ステップ3|受けたあとの流れを決める
入口を整えても、受けたあとが決まっていなければ同じことになります。
決めるのは3つです。誰が担当するか。いつまでに一次返信を返すか。やりとりをどこに残すか。とくに一次返信は、内容の丁寧さより速さが効きます。検討している相手は、たいてい複数社に問い合わせています。
やること:受け取った直後に「受け取りました」と「いつまでに返します」を自動返信※2で伝える。そのうえで、対応の履歴をCRM※3に残す。半年前に止まっていた相手に、もう一度声をかけられるようになります。
最後の一歩は、接客ではなく仕組みで支える
丁寧に対応しているのに数字が伸びない会社は、たいてい対応の質ではなく、受け口の形でつまずいています。
そして受け口は、気合ではなく設計で直せます。しかも一度整えれば、担当者が変わっても効き続けます。
まとめ
- 取りこぼしは、営業時間外に静かに起きている
- 入口は多くていい。集まる場所を1つにする
- どこまでをオンラインで完結させるか、先に線を引く
- 一次返信の速さと、履歴を残す場所を決める
ピクニックは、サービスファネルの会社です
私たちピクニックは、お客様の商売をファネルでとらえ、どこに伸びしろが眠っているかを分析し、その段階に合った手を一緒に考える会社です。
その最後の一歩を仕組みに変えるのが DXシステム開発 です。予約・決済の仕組み × CRM導入 × 既存システムとの連携までを設計・開発し、申し込みを取りこぼさない受け口をつくります。
まずは自社が「どの入口から・どの時間帯に・どれだけ」申し込みを受けているのか。そこが見えれば、あとは穴をふさぐだけです。現状を一緒に確かめてみませんか。
注釈
※1 AIDMA/AISAS:お客様が商品を知ってから購入に至るまでの流れを説明する考え方。AIDMAは注意・関心・欲求・記憶・行動、AISASは注意・関心・検索・行動・共有の頭文字。
※2 自動返信:フォーム送信などをきっかけに、あらかじめ用意した文面を自動で送る機能。受付の確認と、返信予定を伝える役割を持つ。
※3 CRM:顧客との関係を管理するための仕組み。顧客情報、商談の段階、対応履歴、次回の予定などを一元的に扱う。

